トピックス
 
1. はじめに
 当社では、お客様のニーズに合わせた新事業を推進する組織として、事業化推進室を発足しました。多様化するお客様のご要望にスピーディに、多面的に対応することをめざしています。
 さらに既存事業(技術・製品・サービス)の技術力の向上と並行し、より多くのお客様に当社の事業内容やソリューションを提供できるよう、新事業へと活躍の場を拡げる取り組みも推進していきます。
2. 取り組みの紹介
  • (1)連携事業の創出
  •  当社は、研究開発や品質保証において欠かせない試験や計測、解析、分析、調査といった専門性の高い各分野の技術者を擁しています。
     一方、仕事の形態は、お客様が御自身の課題から専門分野メニューを選択され、当社へお問い合わせいただく形が一般的な流れとなります。このような業務の中で、実はお客様の課題を解決するには、ご依頼を受けた技術以外にも、有効な技術を保有している場合があります。
     そこで各分野の技術者で構成する事業化推進室では、そういったお客様の課題について、情報共有を行い、連携できそうな技術があれば、フットワークを軽くスピーディにトライし、お客様に連携技術のご提案をさせていただきます。
     事例を2つご紹介します。
  • 事例1 強度試験と分析技術の連携事例
  •  樹脂材料の製品について、強度試験のニーズがありました。
     試験を実施した際に、事業化推進室内で、その技術的課題を情報共有したところ、分析の技術者がAIを活用し、別の切り口で強度への影響因子(熱、光、有機溶剤、応力、水、金属などによる劣化など)の可能性を発案しました。この発案を受け、強度試験のみではなく、材料分析も併せて実施することで、劣化原因の解明に取り組みました。
     ここでは強度試験と化学分析の技術者の知識、技術を活用し、お客様の課題に対して、物事を一方向から見るだけではなく、多方向から見ることで、最適な課題解決方法を提供しました。
  • お客様:強度試験のニーズ
    ↓↑
    事業化推進室:お客様の本当の技術課題=樹脂材料の劣化原因を究明

    製品の改良案:(強度試験)+(分析技術、AIによる劣化影響因子を推定)
  • 技術連携イメージ
    技術連携イメージ
  • 事例2 空気砲試験とシミュレーション技術の連携
  •  当社では空気砲(※)を使用した衝突試験を実施していますが、事業化推進室では、このノウハウを応用した評価試験用液体射出装置の開発を推進しています。  当社のシミュレーション技術と連携し、シミュレーションによる射出時の液体拡散状態の確認や、治具形状の最適化により、開発のリードタイム短縮を進めています。
    空気砲試験
    空気砲試験
    衝突シミュレーションによる液体の拡散検討
    衝突シミュレーションによる液体の拡散検討
  • ※ 空気砲試験:圧縮空気により、高速の飛翔体(石・氷・鉄球など)を発射させ、試験体に衝突させることで、対象物の破損・変形状況や挙動を確認する試験です。
  • 空気砲試験についての詳細は当社技術レポートページ参照:
  • 技術レポート:空気砲による衝突試験 | 受託研究・評価試験 | 技術分野 | 川重テクノロジー株式会社 (kawaju.co.jp)
  • (2)新市場へと活躍の場を拡げる取り組み
  •  当社の技術をより多くの方に知っていただき、活用していただきたいという思いから、マッチングツール(BtoBマーケティングサイト「イプロス」)の活用と動画制作の取り組みをスタートしました。
     事業化推進室では、このツールによって新しいお客様との接点を得るだけに留まらず、そのお客様とのコミュニケーションを通じて、お客様の抱えるニーズや課題を共有し、そのニーズを満たす新しい技術メニューを創出し、さらに、当社ソリューション事業部門のノウハウや保有技術を活用して、最適なソリューションをご提案させていただきたいと考えています。
  • 取り組み
  • また、当社の新技術や既存技術をより広く、分かりやすく知っていただくため、今後動画制作も進めてまいります。ここでは当社の技術や製品の動画を制作し、順次公開させていただきます。さらに製品の使い方の解説や、新技術なども公開してまいります。
  • (当社YouTubeチャンネル:川重テクノロジー株式会社- Youtube)の紹介
3. おわりに
 事業化推進室では、上記のような取り組みや、技術連携の推進を通して、より多くのお客様に、付加価値の高いトータルソリューションを提供してまいります。
 また、新事業の内容について、当社HPやメールマガジン、マッチングツール、動画共有サイトなどを通して、順次紹介させていただきます。もし、何かお困りごとがありましたら、川重テクノロジーまでご用命いただけますと幸いです。
(2023/1)
事業化推進室
入江 一彦
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