オアシス
 
北海道に魅せられて
 北海道が大好きな私は毎年北海道に旅に出ます。多いときは年10回以上北の大地を訪れます。
 各地にうまいものがいっぱいあり、迫力満点のばんえい競馬、バイクツーリングや鉄道、飛行機の旅の楽しみなど北海道の魅力をご紹介します。
≪うまいもんがいっぱい≫
 北海道といえばやはり「食」です。ウニ、イクラ、カニはもちろんですが、小樽といえばハッカク、苫小牧はホッキ貝やキュウリウオ、函館のラッキーピエロ、帯広の豚丼、知床・羅臼のぶどうエビやくろはも、釧路の糠さんまに東家竹老園のそば、根室の花咲ガニと北海道各地にはそれぞれおいしいものがあり、どこに行っても今日はどんな美味しいものが待ってるかな、とわくわくします。今回は特に印象に残った帯広についてご紹介します。
ふじ膳にぎり1200円
ふじ膳にぎり1200円
 まずは帯広中央卸売市場の食堂です。この食堂は北海道で知り合った友達に教えてもらったのですが、「帯広にうまくて安い寿司があるんだ」と言われ、私は帯広は内陸部なのにおいしい寿司?と、始めはピンときませんでした。しかしその友達に言われるまま帯広中央卸売市場に行くとありました、すごくおいしいお寿司が、こんな内陸部に。ほんとに脂がのって甘くておいしいです。しかも満足のいくリーズナブルな値段でした。帯広で寿司が食べたいなあと思ったら、ぜひ帯広中央卸売市場に足を運んでみてください。
六花亭本店で食べられるサクサクパイ
六花亭本店で食べられるサクサクパイ
 帯広といえばお土産物で有名な六花亭があります。マルセイバターサンドは美味しくて大好きですが、実は本店など一部店舗でしか食べられない六花亭スィーツがあります。それがマルセイアイスサンドと雪んこチーズ、そしてサクサクパイです。特にお勧めはサクサクパイです。これは店内で作られた出来立てのパイが定期的に出てきます。カスタードが濃厚でパイ生地が焼き立てサクサクで、一口食べたらやみつきになり、追加購入すること間違いなしです(笑)。またマルセイアイスサンドとサクサクパイ、お茶を交互にいただくと延々食べ続けてしまいますので要注意です。
 帯広では9月になると大正メークイン祭りが開催されます。私はこの祭りに過去三回ほど行きましたが、メークイン混玉買い物袋詰め放題や、収穫されたばかりのメークインを大釜で茹で上げたメークインいも煮の無料配布、北海道の素敵な商品が当たるガラポン抽選会などもあり、いつも大盛況です。特産品販売で購入したメークインはとてもおいしくて、もっと買えばよかったと後悔するくらい、あっという間に食べてしまう美味しさです。いつも帰り際に「また来年も来よう」と毎回思う満足度を感じれる祭りです。秋に北海道旅行を検討される方はぜひ、メークイン祭りにも足を運んでみてください。
≪蒸留所、バーを愉しむ≫
 北海道に行く理由の一つにウィスキーを愉しむことがあります。
 ウィスキーは蒸留酒で、麦やトウモロコシを微生物の力で発酵させた後蒸留し、樽で熟成します。実はビールとウィスキーは発酵まではほとんど同じ工程なんです。ウィスキーはモルトウィスキー(原料が大麦のウィスキー)では2回、または3回蒸留し、原酒のアルコール度数は60%程度になります。その原酒をヨーロピアンオークやアメリカンオーク、ミズナラなどの樽で熟成し、オークの種類や熟成年数、熟成場所の気候や環境などで、さまざまな香りや風味のついたウィスキーが完成します。
余市蒸留所
余市蒸留所
 北海道には余市蒸留所と厚岸蒸留所があります。余市にはNHKドラマでも知られているニッカウィスキーの蒸留所があり、「余市」等主にピートの効いたウィスキーを製造する蒸留所です。
 余市蒸留所ではタイミングが良ければ、蒸留工程が見られます。出来ればチャー(樽に火入れをして焼く工程)やフロアモルティング(麦に水や酵素を与えて発芽させる工程)なども見たかったのですが、今現在国内ではモルトは輸入が主でフロアモルティングしているところはほぼなく、チャーも見学で見られる機会はかなり少ないようです。厚岸では新しい蒸留所が完成し操業を始めてます。こちらも今年の4月に行きましたがスタッフ4名で運営している為、見学はできませんでした。今後見学できる体制を役場と協力して計画中とのことで新たなジャパニーズウィスキー誕生が楽しみです。ウィスキーがどんな原料でどのように出来ていくかを見て、感じることで、ウィスキーを飲むときの楽しみが倍増したと思います。
「ストレートヘッド型」のポットスチル
「ストレートヘッド型」のポットスチル
厚岸蒸留所
厚岸蒸留所
 蒸留所めぐりを終えた後は、北海道に来たときはたびたび訪れる札幌のバーに行きました。ここのバーに何度も通うのはハギスが食べられるからです。ハギスとはスコットランドの伝統料理で羊の胃袋に内臓などを詰め込んで煮た料理になります。マッシュポテトと一緒に出されることが多いですが、これがほんとにウィスキーとよく合うんです。私はウィスキーはニート(ストレート)か、水を1、2滴加水して飲みます。カスクストレングス(加水していないアルコール度数の高いウィスキー)は、水を1滴加えるだけで香りが開いて、とてもおいしくなります。バーに行くとウィスキーの飲み方から歴史物語やエピソードなど、いろんな面白い話がバーテンダーや出逢うお客さんから聴けるのですごく楽しいです。ウィスキーが好きな方は是非日本各地のバーを訪れてみてください。
ウィスキーに囲まれる幸せ
ウィスキーに囲まれる幸せ
≪ばんえい競馬場≫
 帯広にはばんえい競走競馬場、「ばんえい十勝」があります。ばんえい競走とは、普通の競馬と違って1トンの鉄そりをひきながらスピードやパワーなどを競う競走のことです。また騎手が馬にまたがらず、そりに乗って鞭を打つのも競馬との違いです。現在はばんえい競走は帯広にしかないそうです。
 ばんえいでは、人気のバックヤードツアーがお勧めです。私も申し込み参加しましたが、ばんえい競馬の歴史やレースの見どころを教えていただけます。出走する馬は北海道の「どさんこ」だと思ってましたがそうではなく、農耕馬から品種改良で生まれた「ばん馬」という馬が競い合うレースらしいです。コースは全長200mで第一障害が高さ1.0m、第二障害が高さ1.6m、最後に高さ0.5m(30m区間)の緩い上り坂があります。あまり最初に飛ばしすぎると第二障害が登れなくなってしまうため、序盤の駆け引きが重要だそうです。また最後のゴール前に傾斜0.5mの緩い坂があるため、ペース配分をしていない馬たちは最後で急に失速したりします。第二障害とこのゴール直前の30mは非常に見ごたえのあるレースシーンとなります。
 最初私はコースについて知識がなく、ゴール前は平地に見えるため、なんでゴール前であんなに遅いのかな、と感じていました。しかし、バックヤードツアーでコースについて教えてもらった後は、各馬の駆け引きを感じながら各レースを楽しめました。
ばんえい十勝コース概要
ばんえい十勝コース概要
障害を越えるばん馬 障害を越えるばん馬
障害を越えるばん馬(“帯広市HPより引用”)
≪バイク、鉄道、構造物≫
 バイクといえば北海道ツーリングです。
 私はバイクで日本を7周ほど回りましたが、北海道については10周以上走ってます。私の相棒はアメリカンタイプのバルカンクラシックツアラー(1500cc)ですが、アメリカンバイクでのんびり走ると素敵な景色にたくさん出逢えます。また、ツーリングでは石油や天然ガスのタンク貯蔵施設、大きなダムなどを見かける度に立ち寄っています。大型構造物を見ると、人間一人一人はこんなに小さいのに、皆で力を合わせればこんなにすごいものがつくれるんだなあ、といつも感動し、わくわくします。
幣舞橋の夕日
幣舞橋の夕日
北海道の景色
北海道の景色
バルカンクラシックツアラーで知床へ
バルカンクラシックツアラーで知床へ
室蘭の石油や天然ガスのタンク貯蔵施設
室蘭の石油や天然ガスのタンク貯蔵施設
 鉄道や航空機で行く北海道の旅も好きです。過去に業務で携わったボーイング787やエンブラエル170、190には思い入れがあり何度か乗りましたが、北海道旅行にも787に乗って行きました。また、利尻島を旅したときは、大阪から稚内までは断然航空機利用が便利なのですが、あえて航空機ではなく、特急列車のサンダーバード、かがやき、こまち、はやぶさ、はまなす、スーパー宗谷、スーパー北斗、スーパー白鳥と、時間のかかる鉄道を選択し、特急、急行、新幹線三昧の移動手段で旅をしました。お金と移動時間はかかりましたが、消え行く列車や誕生したばかりの高速鉄道など新旧鉄道を堪能ながら旅をしました。
急行はまなす
急行はまなす
雪の中を走る根室本線
雪の中を走る根室本線
最後に
 北海道の魅力は無限にあり、そのごく一部しか書いておりません。北海道にはまだまだたくさんの魅力があります。今度の休みにはどこに行こうか、と迷った人が居れば、私は迷わず北海道をお勧めします。必ずその人それぞれに合った魅力ある楽しい北海道が待っていると私は思います。
(2017/7)