未使用なのに疲労破壊!?
これまでに実施してきた損傷解析の中で、特異な事例も多く認められる。中でも、部材が未使用であるにもかかわらず疲労破壊していたことがあった。
そのカラクリはこうだ!!
- トラックで輸送中に、走行時の振動を受けて繰返し応力が加わり、目的地に到着した際には既に疲労き裂が伝ぱしていた。
- 旋盤等で棒形状部材の切削を行なった(バイトの押し付けで横から負荷を与えた)ところ、切削条件や芯出し等に不具合があったため回転曲げの疲労き裂が伝ぱしていた。これに気が付かず、従業員が装置に組み込もうとして手で持ち運び、誤って床に落とした際に折損した(通常、手から離れて床に落ちただけでは折損しない)。
このような事例は様々な部材で起こり得る現象であり、未使用でのき裂発生においては特に疑う必要がある。
(2009/6/18)