「Kawasaki Robostage(カワサキロボステージ)」をご存知でしょうか?
川崎重工の最先端ロボットを体験できる、ショールームです。
オープンから1年3か月が経過したこの施設を、4歳の息子と一緒に訪ねてきました。
「カワサキロボットって、産業用じゃないの?」
「産業ロボットの展示で、体験できることなんてあるの?」
そのように思われている方が多いかもしれませんが、期待していた以上に、大人も子どもも楽しめる施設でした。
この施設の魅力をご紹介します。(取材日:2017年11月11日(土))
正面玄関
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館内の様子
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1. Kawasaki Robostageは、お台場のど真ん中にあります!
Kawasaki Robostageは、「トレードピアお台場」(東京都港区)の1Fにあります。
道路をはさんだ隣りのビルは、フジテレビです。
最寄駅は、お台場海浜公園駅(ゆりかもめ)、または、東京テレポート駅(りんかい線)です。アクアシティやデックス東京ビーチ、ダイバーシティ東京、ヴィーナスフォートからも近いので、お買物ついでに、ふらっとお立ち寄りいただけますよ。
2. Kawasaki Robostageの展示内容を一挙にご紹介します!
1) 双腕型スカラロボット「duAro」による似顔絵作成
「duAro」が画像認識で顔を確認し、わずか数分でそっくりな似顔絵を作成してくれます。
顔認識は一瞬なので、じっとしていられない4歳の息子でも大丈夫でした。
2) ドローンに乗った感覚が味わえるヴァーチャルアトラクション「K-Roboride」
主に自動車工場で溶接ロボットとして使われている「BX165N」と、VR(ヴァーチャル・リアリティ)技術との融合アトラクションです。ロボットアームが動かすシートに乗り、ヘッドマウントディスプレイで360°のVR映像を楽しむことができます。ロボットアームが乗車中の揺れなどをリアルに再現するので、本当にドローンに乗っているような感覚になります。
このアトラクションは、13歳以上の年齢制限があるので、残念ながらうちの息子は乗ることができませんでした。あと、乗り物に弱い方も気を付けた方がいいですよ。(私はしっかり酔いました…)
「K-Roboride」の座席
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ディスプレイで表示される映像。
ぜひ実際にお試しください!
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3) ロボット操作のシミュレーション「K-Roset」の体験
ロボットの挙動を事前シミュレーションできるソフトウェアを体験することができます。うちの子のような小さな子どもが操作するのは難しいですが、中高生以上であれば、楽しみながら操作できると思います。
「K-Roset」
4) 双腕型スカラロボット「duAro」による検査作業
タブレットパソコンの検査工程をデモしています。2本のアームが器用に動き、基盤の組立やねじ止め、コネクタの接続作業を行うほか、タブレット画面をフリック(スクロール)したり、ピンチイン・ピンチアウト(画面の縮小・拡大)したりする工程を模擬しています。
「duAro」による検査作業のデモ
5) 医療ロボットによる分注(協調)作業
医療用ロボットは、無菌室など、高度な衛生管理が必要な場所や、限られた空間でも柔軟に作業できるような設計になっています。
オールステンレスのロボット「MS005N」は7軸の多関節を持っているので、より人間の腕に近い動きができます。さらに左右のロボット「MS004N」と合わせ合計3台のロボットが正確な動きで協調し、ビーカーの薬液を試験管に一定量ずつ配分しています。
「MS005N」(写真中央)と「MS004N」(左右)による分注(協調)作業の様子
それぞれの展示の前には、Softbankさんの「Pepper」がいて、説明をしてくれています。
カワサキロボットは話すことができないので、いいチームワークだなと思いました。
「Pepper」を操作しようといている息子
3. Kawasaki Robostageの魅力を、施設の方に語っていただきました!
合田一喜さんご案内してくださったのは、Kawasaki Robostageのオフィス長を務めている合田一喜さんです。合田さんに話を伺いました。
Q.Kawasaki Robostageはどのようなショールームですか?
A.メインコンセプトは「人とロボットの共存・協調の実現」です。将来のロボット社会に向けた、人とロボットの新しい関係を予感させる場所として、様々な展示を通じて情報発信しています。このショールームで展示されているのはカワサキロボットだけですが、これまでに、スーパーバイク世界選手権に出場するカワサキ・レーシング・チームの記者会見が行われたこともありますよ。
Q.なぜお台場なんですか?
A.政府の「日本再興戦略」で、お台場を日本の先進技術のショールーム化する構想があるようです。この地区では、すでにトヨタさんやパナソニックさんが一般向け施設を展開していますし、日本科学未来館もあります。また、この地域は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの会場から近いので、世界から注目が集まる場所と言えます。都心からも近いですし、羽田空港からのアクセスも良いので、外国の方も立ち寄りやすく、お台場は魅力的な立地だと思います。休日に家族連れで来られた方が、職場でロボットの導入を検討されている方だったこともありました。気軽に訪れていただき、カワサキロボットを身近に感じていただけるので、当社のブランド価値向上にもつながっているのではと感じています。
先進技術のショールーム化構想のあるお台場
Q.カワサキロボットは産業用ですが、なぜ一般向けに展示されているのですか?
A.これまでロボットは、主に製造業で多く使われていましたが、最近は、他の産業にも広がってきていて、今後、ロボットの存在はより身近なものになってくると思います。このショールームでは、ロボットに対する理解を深めていただき、ロボットの可能性を知っていただくことを目指して、様々なカワサキロボットによるデモンストレーションを行っています。特に「duAro」は、これまでの産業用ロボットと違って、人と共存して作業できるんです。「ロボットは、人間の仕事を奪うもの」という考え方をされている方も多いと思いますが、「duAro」は、人間と一緒に働くことができるように、安全対策も整えられています。展示を通じて、メインコンセプトである「人とロボットの共存・協調の実現」というところを、このショールームで展開していきたいと考えています。
K-Roborideの展示スペースには、柵やカバーで、人が直接触れられないように
安全対策が施されています。
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「duAro」は、他の産業ロボットより接近しても大丈夫です。
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Q.どのくらいの方が来られているのですか?
A.オープンから1年3か月の来館者が、累計で35,000人を超えたところです。平日は100名ぐらい、休日は200〜300名ぐらいの方が来られます。周囲が商業施設などに囲まれているので、そのついでに来られる方も多いですね。人気の高い「K-Roboride」や「duAro」の似顔絵は、休日は整理券を配って対応しています。
Q.来館者はどのような方が多いですか?
A.休日は家族連れの方が多いですね。平日は、カワサキロボットのショールームということで、実際にロボットの導入を検討されているお客様も多いです。近くに東京ビッグサイトがあり、展示会でカワサキロボットを見た方が、帰りに立ち寄られることもありますよ。川重の関係者も、お客様と同行でお越しになったり、休日にプライベートで立ち寄られています。外国の方も多いですよ。
Q.スタッフにはどのような方がいらっしゃるのですか?
A.ショールームのスタッフは、もともと川重の所属ではなかったんです。前職の経歴は様々で、テレビのAD、キャビンアテンダント出身の者もいます。私も某社のショールームで働いていて転職してきました。
Q.今後の展望をお聞かせください。
A.オープン当時と比べると展示内容も変わっています。今、「K-Roboride」を設置しているスペースでは、寿司を握る「duAro」の展示や、皆さんの代わりにスマホの保護カバーを貼る「duAro」などを設置していました。常に最新の情報を発信できるよう、また、より魅力的なショールームとなるよう、スタッフと一緒に作り上げていきたいと思います。
4. おわりに:皆さんも、ぜひKawasaki Robostageへ!
取材中は、お客様が途切れることなく、カップルや家族連れ、外国の方など、本当に様々な方々がお越しになられていました。スタッフの皆さんは、英語、中国語を自在に操り、フレンドリーにお客様対応されている様子が印象的でした。
合田さん、スタッフのみなさん、ありがとうございました。
皆さんも、ぜひKawasaki Robostageへ足をお運びいただき、最新のロボットを体験してください!
Kawasaki Robostageの皆さん
Kawasaki Robostage 営業情報
所在地:東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場1F
営業時間
火・水・金:13:00〜18:00
土・日・祝:10:00〜18:00
休館日:月・木(祝日の場合は営業)
Tel:(03)6457-2800
入場無料
<おまけ>こちらの施設のパンフレットは、当社が手掛けました。
Kawasaki Robostageのパンフレット
(2018/1)
営業部 東京営業所
蔵本 匡史 |
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