今やロボットは、生産合理化に必要不可欠な装置となっていますが、施工技術の開発、適切なロボット選定、事前検証試験や教示作業の効率化など、適用対象に応じた事前検討をしなければ十分な効果を発揮できません。
当社では、IT技術やセンサ技術を活用し、各種産業用ロボットシステムの適用検討から設計・開発を行っています。
1.ロボットシステムの検討
ロボットシステムを新規導入する場合、生産効率の試算や装置レイアウトの検討、ロボットの選定など多岐に渡る予備検討が必要です。当社では、K-ROSET/PC-ROSET(川崎重工業製ロボットシミュレータ)などを活用してシミュレーションを行うことで、詳細な事前検討が可能です。
3Dイメージや動画を活用しお客様と具体的なイメージを共有することで、仕様検討を効率的に行うことができます。
さらには、治具設計・製作とロボットプログラム作成を並行して行うことができ、製品適用までのリードタイムを短縮することが可能で、最適なロボットシステムの提案を行うことができます。
2.ロボットシステムの開発事例
最近のロボットシステム開発事例について、ご紹介します。
(1)厚板TIG積層溶接ロボットシステム
曲がった厚板の板継ぎ継手をTIG溶接にて自動積層を行うロボットシステムです。当社にて開発した独自のレーザセンサにより溶接線を自動倣いし、溶接条件を自動補正しながら積層溶接を行います。溶接ヘッドには、溶接状況を遠隔監視・モニタリングするカメラユニットも搭載しています。
(2)水門部品MAG溶接ロボットシステム
門設備部品を製造するMAG溶接ロボットシステムです。数多くの補強リブがあるため、動作パターンをモジュール化し、エクセルから数値を入力することで寸法違いの製品にも柔軟に対応可能なシステムとなっています。
(3)厚板ガス切断ロボット
厚板鋼管をターニングローラで回転させながらガス切断を行うロボットシステムです。上位CADからのNCデータに基づき、鞍型形状など複雑な形状を自動切断することができます。また、ツールチェンジすることで溶接ロボットとしても運用することができる切断・溶接併用システムとなっています。