高速走行中の車両や離着陸時の航空機の構体に石や氷が衝突した時、損傷がどの程度になるか、構体の補強は適切にできているか、空気砲衝突試験という比較的簡便な方法で、それが確認できます。
お客様からの強い要望により、飛来物の最大速度は、ガス供給源設備の増強、作動気体の見直しを行うことで、従来の350㎞/hから高速車両の最高速度レベルの500㎞/hを達成することができています。また、衝突物の命中精度も大幅に向上し、構体の評価したい位置の設定が可能となっています。(下記の装置仕様図1を参照下さい。)
これからの輸送機器高速化に伴う安全性確保に、高速化対応した空気砲衝突試験装置をご紹介します。
1.衝突相対速度500km/h下で想定される試験例
- 高速車両の飛来物衝突試験
- 飛行機離着陸時の飛来物衝突試験
- 旋盤など機械回転物破損時の衝突試験
2.装置概念
- 圧縮ガスにより衝突物を発射します。
- 衝突物は速度検知部を通り速度が測定されます。
- 衝突時の状況を高速度カメラにより撮影することが可能です。
3.装置仕様
- 1)砲身直径
- :50mm、100mm
- 2)衝突物
- :鉄球、石、樹脂、ゼラチン等
(衝突物のサイズは、φ11mm~φ80mmの実績があります。)
(衝突速度100km/hでは、直径20mmの氷球の実績があります。) - 3)速度
- :最大500km/h(従来装置では350km/h)
- 4)衝突精度
- :時速100km/hでは20mm円内(従来装置では100mm円内)
4.衝突試験例
(1)ペネトレーション・テスト
(2)アクリル板貫通試験
(3)降雹試験
※衝突物、構体等の試験条件には柔軟に対応致します。