概要
「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を目指した動きが活発となっていますが、現状、我々の生活は化石燃料(石炭、石油、LNG) から供給されるエネルギーにより支えられています。これらの燃料の品質が悪いとエンジンの異常やフィルターの目詰まりなどのトラブルの原因となります。また、これらを燃やすことで大気汚染や地球温暖化の原因となるNOxやSOx、CO2が発生するため、燃料の品質規格は年々厳しくなっており、品質を把握することが重要となります。
上記のような化石燃料のほかにも、当社ではRPFなどのような廃棄物固形化燃料やバイオマス燃料など多種多様な燃料について様々な内容の調査経験がございます。
<こんなご要望はありませんか>
- 燃料が要求品質を満たしているかを調査したい
- 硫黄や窒素含有量から環境負荷を調査したい
- RPF等の廃棄物燃料やバイオマス燃料の性能を調査したい
最適な調査項目をご提案させていただきますのでお気軽にご相談ください。
調査手法
燃料油の分析では密度や引火点などの性状分析、固形燃料の分析では水分、揮発分、灰分、固定炭素を測定する工業分析などを行っています。また、発熱量測定や、含有する成分組成を調べる元素分析なども行っています。
■ 性状分析
燃料油の品質を把握する手段として、密度、動粘度、引火点、水分、発熱量などの各種性状分析が一般的に行われています。燃料油に由来するトラブルを未然に防ぐためにも、品質規格を遵守することが重要となります。参考として、下表にJIS K 2204に記載されている軽油の要求品質の一部を記載します。
試験項目 | 単位 | 種類 | ||
---|---|---|---|---|
1号 | 2号 | 3号 | ||
引火点 | ℃ | 50以上 | 50以上 | 45以上 |
流動点 | ℃ | -2.5以下 | -7.5以下 | -20以下 |
セタン指数 | ― | 50以上 | 45以上 | 45以上 |
硫黄分 | 質量% | 0.0010以下 | 0.0010以下 | 0.0010以下 |
密度(15℃) | g/cm3 | 0.86以下 | 0.86以下 | 0.86以下 |
当社では上記の項目以外にも様々な性状分析を実施しています。
- 密度
- 引火点
- 流動点
- 目詰まり点
- 動粘度
- 反応
- 残留炭素
- 10%残油残留炭素
- 灰分
- 硫黄分
- 水分(キシレン蒸留法、K.F法)
- 蒸留性状
- セタン指数
- 夾雑物
- 銅板腐食
■ 工業分析
石炭中の水分、揮発分、灰分、固定炭素を分析する方法で、石炭の分類や特性を示す指標となります。また、これらをもとに着火性や燃焼性の指標となる燃料比(固定炭素(%)÷揮発分(%))を求めることもできます。
■ 元素分析
主に、炭素、水素、窒素、硫黄、酸素などの含有量を求めます。窒素や硫黄を多く含む燃料は燃焼時にNOx、SOxなどの有害物質を発生させるので、環境負荷低減のためにも、極力これらの含有量が低いものが望まれます。
■ 発熱量
発熱量は物質が完全燃焼する際に発生する熱量であり、燃料の性能を表す最も重要な指標といえます。
測定方法としては高圧酸素雰囲気の圧力容器内で試料を完全燃焼させます。このときに発生した熱を、容器を水没させた水に吸収させ、その温度変化により発熱量を計測します。燃料以外にも、食品、樹脂材料など燃焼可能な物であれば測定可能です。
以上、燃料関連調査の一部をご紹介させていただきましたが、当社では多種多様な燃料について他にも様々な内容の調査経験がございますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。
主な調査事例
石油・石炭などの燃料は多岐にわたり使用されておりますので、調査事例も様々です。以下に一例をご紹介します。
調査項目 | 調査事例 |
---|---|
性状分析 |
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工業分析 |
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元素分析 |
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発熱量 |
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