技術分野

化学

技術レポート

オゾン劣化試験

1. 概要

 オゾン劣化試験は、予め引張ひずみを与えた試験体(ゴム・樹脂製品)を屋外よりも過酷なオゾン環境下で規定時間暴露したときの、試験体のき裂の発生状況を観察する試験です。すなわち、ゴム・樹脂製品をオゾン環境で使用したときの「き裂の発生しにくさ」を迅速に知ることができる試験です。

2. オゾン劣化試験機と仕様

試験装置 オゾンウェザーメータ OMS-HNZ (スガ試験機製)
試験槽内寸 500×500×500mm 12本掛け
オゾン濃度範囲 0.2ppm ~ 300ppm
温度調節範囲 (室温+10℃)~100℃
動的試験装置

ストローク 0~50mm / 繰返し速度 0.5±0.025Hz

  • オゾンウェザーメータの外観
    【オゾンウェザーメータの外観】
  • 試験槽内
    【試験槽内】

3. 試験片形状

 基本的には板状の試験片が望ましいですが、小型製品であれば、製品を試験機の試料台に直接設置することも可能です。

  • 試験治具(試験片伸長用)
    試験治具(試験片伸長用)

4. 実施例

 本試験は、屋外環境で使用される輸送機器部品について静的オゾン劣化試験を行い、オゾン暴露後の劣化状況および部品性能を確認した試験です。

試験条件

試験方式 静的オゾン劣化試験
温度 40±2℃
オゾン濃度 500±50ppb
暴露時間 72時間
  • 輸送機器部品A(き裂なし)
    【輸送機器部品A(き裂なし)】
  • 輸送機器部品B(無数のき裂発生)
    【輸送機器部品B(無数のき裂発生)】

5. 適用可能JIS規格(例)

JIS K 6259 加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム-耐オゾン性の求め方-
JIS D 0205 自動車部品の耐候性試験方法 (WAO 促進耐オゾン性試験)